こんにちは。
認定傾聴カウンセラーとして
愛知県でメンタルヘルス支援対策をしているサードです。
- 職場のメンタルヘルスケアって何?
- 上司から指示されているがどうすればいいの?
- 参考になる情報や事例がほしい
社内のメンタルヘルスケアの進め方で悩まれていませんか?
担当者として知識や経験も無い中で進めていかなければならないとき、情報を集めて少しでも安心感をもって取り組んでいきたいですよね。
そこで、メンタルヘルスマネジメント検定を取得し現場でも支援をしている私がこれから社内でメンタルヘルスを推進していく担当者の方に進め方をこの記事で余すところなくお伝えしていきます。
結論から言うと、職場のメンタルヘルスケアについて理解が深まります。
この記事では、
- メンタルヘルスとは?
- 職場におけるメンタルヘルスケアの2つの軸
- 職場でメンタルヘルスケアを進めるための7つのSTEP
- 職場でのメンタルヘルスケアの3つの事例
- メンタルヘルスマネジメント検定を受けてみよう
- まとめ
を紹介しています。ぜひ最後までお読みください。
1. メンタルヘルスとは?
以下の2つに沿って説明していきます。
- 間違いやすい定義
- メンタル不調者の捉え方
職場のメンタルヘルスケアの前提としてまずは押さえていきましょう。
間違いやすい定義
WHO(世界保健機構)では以下のように定義されています。
「すべての個人が自らの可能性を認識し、生命の通常のストレスに対処し、 生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献することができる健全な状態」
引用元:(公・社)日本看護協会訳 2020 年
メンタルヘルスと聞くと文字通り「気持ちの健康」とだけ思ってしまいますが生産的かつ効果的に働き、コミュニティに貢献できる状態だと覚えておきましょう。
WHOの定義を見ると、明確に職場と関連があるテーマですね。
メンタル不調者の捉え方
厚生労働省では、メンタルヘルス不調を以下のように定義しています。
「精神及び行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的及び行動上の問題を幅広く含むもの」
引用元:厚生労働省「こころの耳」HP
うつ病などの特別な病気だけではなく、ストレスなどで社会生活に影響している人たちをメンタル不調者としています。
職場でメンタルヘルスケアを取り組むとき、病気ではないがその可能性がある社員にも対応していかなければいけないことが分かりますね。
2. 職場におけるメンタルヘルスケアの2つの軸
基本的な軸は以下の2つと言われています。
- 3つの予防
- 4つのケア
それぞれ解説していきます。
3つの予防
3つの予防があると言われてます。
- 1.1次予防
- 2.2次予防
- 3.3次予防
それぞれ見ていきましょう。
1.1次予防
1次予防は「メンタルヘルス不調を未然に防止すること」です。
不調の原因をできるだけ少なくするために、メンタルヘルスケアについて研修を実施することや職場環境の改善に向けた対応をとることが含まれます。
2015年から始まったストレスチェック制度も1次予防の施策になります。
2.2次予防
2次予防は「メンタルヘルス不調を早期に発見し適切な措置を行うこと」です。
早めに手を打つことはメンタルヘルスケアでも大切なことです。相談体制づくり、メンタルヘルス教育の実施、管理者による問題解決の行動などが当てはまります。
ストレスの影響は個人差があるためメンタルヘルス不調かどうかの見極めは難しいですが、日ごろから社員の様子を気にしておくことが早期発見につながります。
3.3次予防
3次予防は「メンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰の支援等を行うこと」です。
休職者がスムーズに職場へ復帰して、再発しないようにサポートしていきます。プログラムに沿って面談や研修を実施したり、復帰した職場の管理監督者を支援したりします。
本人だけでなく会社や職場、家庭などの支援が再発防止には非常に大切です。また支援者たちがしっかりと連携をとることでさらに再発を防いでいけます。
4つのケア
4つのケアは以下となります。
- 1.セルフケア
- 2.ラインケア
- 3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
- 4.事業場外資源によるケア
1.セルフケア
セルフケアとは「労働者が自身のストレス状態を知り、適切に対処する取り組み」です。
メンタルヘルスやストレスについて正しく理解し、自身のストレスに気づき、周囲へ自ら相談するなどして対処をしていくことが重要です。
長時間労働などで仕事を頑張りすぎてしまう人などが自身のストレスに気づかずにある日突然気力をなくしてしまうケースは、まさにセルフケアができていなかった事例ですね。
2.ラインケア
ラインケアとは「管理監督者による職場環境の把握と改善、労働者からの相談対応等」です。
労働者と日常的に接する管理監督者によるケアは、4つの中でも一番重要だと言われています。
2020年に実施された「労働安全衛生調査」によると、仕事や職業生活に関するストレスの1~3位は以下でした。
- 仕事の量(42.5%)
- 仕事の失敗、責任の発生等(35.0%)
- 仕事の質(30.9%)
すべて職場環境と関連しており、管理監督者の役割の大きさが見えてくる結果でした。
ストレスを抱える労働者から相談があれば適切に対応することはもちろんですが、管理監督者だけでは難しいケースもありますので同僚や上司、または事業場内外の産業保健スタッフに相談することも好ましいです。
3.事業場内産業保健スタッフ等によるケア
事業場内産業保健スタッフ等によるケアとは「事業場内にて産業保健のそれぞれの専門的立場から支援すること」です。
産業保健スタッフとは以下になります。
- 産業医
- 保健師、看護師
- 衛生管理者、衛生推進者
また人事労務管理スタッフがその立場から支援することも含まれます。
セルフケアやラインケアが効果的に実施されるように支援することや、社内のメンタルヘルスケアを中心的に進めていく役割を担います。事業所の規模にかかわらずメンタルヘルスケアの推進者を1人は配置することを推奨したいです。
4.事業場外資源によるケア
事業場外資源によるケアとは「事業場外の専門家や専門機関を活用すること」です。
情報提供や助言を受けるとき、様々な対応ができるようにネットワークを形成するとき、また職場復帰における支援をするときなどに活用されています。
特に中小規模の事業場の場合、社内に適当な人材がいない中でメンタルヘルス不調者へ対応しなければならないケースが多いです。無料で支援している公的機関が各市町村などにありますので積極的に活用することをおすすめします。
3. 職場でメンタルヘルスケアを進めるための7つのSTEP
厚生労働省が推奨している内容や私の経験から、進めるためのSTEPは以下の7つです。
- 1.衛生委員会の発足
- 2.メンタルヘルスケアについての教育
- 3.職場環境の改善と把握
- 4.メンタルヘルス不調への気づきと対応
- 5.職場復帰における支援
- 6.公的機関の利用
- 7.経営者への報告
それぞれ解説していきます。
1.衛生委員会の発足
メンタルヘルスケアを職場で始めるなら、まずは衛生委員会を設置しましょう。
(すでに設置されている場合は読み飛ばしてけっこうです。)
衛生委員会の役割としては、メンタルヘルスケアを進めるための計画づくり、具体的な実施方法や個人情報の保護に関する規定などを策定します。またストレスチェック制度の実施体制及び実施方法を検討し、その規程を含め労働者に対して周知も行います。
担当者であればおそらく衛生委員会の一員またはリーダーにあたる立場であり、社内のメンタルヘルスケア体制の中心として動くポジションです。まだ社内に無ければ衛生委員会を立ち上げることが最初の取り組みとして必要です。
2.メンタルヘルスケアについての教育
労働者、管理監督者、事業場内産業保健スタッフなどそれぞれに応じた教育研修を実施することが厚生労働省では奨励されています。
例えば、以下の内容があります。
- 労働者にはセルフケアについて
- 管理監督者にはセルフケアとラインケアの両方について
- 産業保健スタッフには労働者や管理監督者への支援の仕方について
また、公的機関を活用して教育研修を担当する者を計画的に養成することもあります。自分たちで永続的にメンタルヘルスケアを実施していくには不可欠なプログラムですね。
3.職場環境の改善と把握
労働者のこころの健康には例えば以下のような要因が影響を与えます。
- 作業環境、作業方法、仕事の質と量
- 職場の人間関係
- 職場の組織、人事労務管理体制
管理監督者を中心に日常の職場管理や労働者から意見をヒアリングすること、ストレスチェック制度を活用して職場環境における問題点を把握・改善を図ることが求められています。
ただし管理監督者だけでは負担が大きく、知識や経験がないこともありますので産業保健スタッフ、人事労務スタッフなどとの事業場内の連携も考える必要があります。公的機関を利用し助言をもらうことも有効です。
4.メンタルヘルス不調への気づきと対応
1次予防に力を入れていたとしてもメンタルヘルス不調者が出てきてしまいますが、その際は2次予防である早期発見と早期に適切な対応を図る必要があります。以下の 3 つに関する体制を整備していきましょう。
- 労働者による自発的な相談とセルフチェック
- 相談の窓口を広げ、相談のしやすい環境を作る
- セルフチェックを行うことができる機会を提供する
- 管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等による相談対応
- 管理監督者は日常的に労働者からの自発的な相談に対応するよう努める
- 事業場内産業保健スタッフ等は管理監督者と協力して、保健指導や健康相談等を行う
- 必要に応じて事業場外の医療機関への相談や受診を促す
- 労働者の家族による気付きや支援等
- 労働者の家族にメンタルヘルスケアの基礎知識、事業場の相談窓口などの情報を提供する
2次予防の対応はそのまま1次予防の強化にもつながりますので、あらためて社内の体制を見直すことをおすすめします。またその際には、労働者の個人情報の保護に十分留意しましょう。
5.職場復帰における支援
メンタルヘルス不調により休業した労働者がいないことが理想的ですが、発生してしまった場合のことを考えて準備しておくことも大切です。
当事者が職場復帰して就業していくために、衛生委員会で職場復帰の支援プログラムを策定しておく必要があります。また問題なく実施できる体制を整備し、プログラムを組織的・継続的に遂行し復帰者への支援を滞りなく進めるようにしましょう。
何度もメンタルヘルス不調に陥ってしまうことは当事者だけでなく、周りの同僚や管理監督者の業務の負担が増えて生産性やモチベーションにも影響を与えます。他のSTEPと同様に注力しなければいけない取り組みです。
6.公的機関の利用
職場でメンタルヘルスケアを進めていくときにあらゆる場面で公的機関を利用することをおすすめします。無料で相談できたり指導員を派遣してくれますので、特に中小規模の事業場にとっては利用価値が高いです。
以下に公的機関の一部を紹介します。
- 産業保健総合支援センター
- 相談窓口にはメンタルヘルスやカウンセリングの専門家を配置
- 事業場内の産業保健スタッフを支援している
- 地域窓口(地域産業保健センター)では小規模事業場向けに無料でサービスを提供
- 精神保健福祉センター
- メンタルヘルスの知識の普及や調査研究を実施し、相談の窓口も設置されている
- 地域障碍者職業センター
- 休職者が職場復帰する際に支援をする機関
- 専門スタッフにより復職の訓練やグループワークを実施
また厚生労働省には「こころの耳」というメンタルヘルスケアについて情報発信しているポータルサイトがあります。電話やメール、SNSで相談も受け付けているので担当者として目にしておくほうが良いでしょう。
7.経営者への報告
特に衛生委員会のリーダーにあたる方はメンタルヘルスケアの進捗状況などを定期的に経営者へ報告することを忘れないようにしてください。小規模事業場であれば経営者が衛生委員会に参加することも一つです。
理由は以下の3つです。
- 職場のメンタルヘルスケアを推進するためには経営者の高い意識が必要であり、状況を報告しないと意識は低下する。
- 従業員の状況を非常に気にしている経営者は多い。経営理念に「従業員の幸福」を掲げている会社は特に。
- 経営者の考えや想いも重要。例えばコスト面などにおいて現場目線と経営者目線は異なるため。
私もメンタルヘルスケアを企業に支援している中で、経営者の意識が取り組みを左右することや経営者・従業員どちらかの考えに偏ることなく進めていくことが必要であると感じています。
経営者の意識が低ければ取り組みを継続することは難しいでしょう。中小規模の事業場ではメンタルヘルスケアの活動は兼任業務として行っているケースが多いため、経営者が積極的な姿勢を見せないと現場では動かなくなるでしょう。
また職場のメンタルヘルスケアは現場の状況をよく知っている人たちが主体的に改善を進めていくことが基本です。経営者は現場の状況を確認し、従業員は会社=経営者の方針を忘れずに取り組んでいくことが効果的な改善につながります。
4. 職場でのメンタルヘルスケアの3つの事例
厚生労働省の「こころの耳」サイトで紹介されている事例を、事業規模別に3つ以下に記載します。
- 1.小規模事業所の事例(従業員数50人以下)
- 2.中規模事業所の事例(従業員数500人以下)
- 3.大規模事業所の事例(従業員数1000人以上)
それぞれ簡潔に紹介していきますね。
1.小規模事業所の事例(従業員数50人以下)
- 会社名:株式会社ジュピテック
- 従業員数:35人(2022年11月現在)
- 事業内容:ハードウェア及びソフトウェアの設計・開発
以下の3つがポイントとして紹介されています。
- 社長から社員に気軽に声をかけることで社員が社長に話しやすい雰囲気が生まれており、従業員からは「自分はずっと平社員でいいんや」と社長に言えるほどの関係性ができている。
- また福利厚生の一環としてカウンセリングを導入されており、社員が安心して働き続けられる環境を提供し、離職に伴う採用コストの低減を図っている。
- さらに種々のツールを活用して、社員の性格特性に合った適正配置や関わり方を推進している。
私もこの事例には驚きました。小規模ながらここまでメンタルヘルスケアに投資をされており、経営者の姿勢が従業員に伝わっていることも社長と従業員の円滑なコミュニケーションにつながっているのでしょう。
※詳細:https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp107/
2.中規模事業所の事例(従業員数500人以下)
- 会社名:株式会社九南
- 従業員数(支店):約380人
- 事業内容:送配電工事や通信工事などの電気工事業
ポイントとして以下の4つが紹介されています。
- 人財育成を重視して、メンター制度など新しい体制を整備した後も毎年評価・改善をPDCAに基づき行っている。
- 5S活動に「スタディ」を加えた6S活動、教育の機会を重視している。
- 職場復帰支援は各部門長に任せず、社内窓口をつくり情報共有できるようにしている。
- 社員同士が話し合い、簡単な言葉で「社員行動基準」を策定。全社員が納得して働きやすい環境につながっている。
従業員数が増えてくると専門のスタッフだけでは対応が難しくなるので、メンター制度を通じて多くの従業員のメンタルヘルスケアへの協力は欠かせないですね。中規模以上の事業場では導入を検討してみましょう。
※詳細:https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp035/
3.大規模事業所の事例(従業員数1000人以上)
- 会社名:サンデン株式会社
- 従業員数:約2,500人
- 事業内容:グループ会社向けのシェアードサービス事業
紹介されているポイントは以下の3つです。
- 部署の状況に合わせて従業員が参加型の職場環境改善を実施する方法を管理職と保健師が一緒に考える。
- 職場環境の改善において他部署の協力が必要な場合は、衛生委員会に問題提起してみる。
- 集団分析の結果を管理職に伝える場合は、その部署の強みから伝える。
大規模の事業場では保健師など専門の産業保健スタッフがおり、部署も多くありますので連携して対応することが効果的な成果を生みますね。
また管理職は大規模の事業場であってもプレイヤーを兼ねて業務量が多いところもあるため、集団分析の課題だけを伝えられてもモチベーションは上がらない。頑張っている部分や部署の強みから伝えられていることは非常に参考になり、事業場の規模に関わらずすぐにできそうですね。
※詳細:https://kokoro.mhlw.go.jp/case/company/cmp097/
メンタルヘルスケアの取り組みについて事業場の規模別に紹介しました。
厚生労働省の「こころの耳」サイトでは他にも多くの事例がありますので、自社の規模や事業内容が似ている会社などを確認してみることをおすすめします。
5. メンタルヘルスマネジメント検定を受けてみよう
メンタルヘルスケアの担当者であれば検定を受けることは、間違いなく業務に活かすことができます。私も2022年に検定を受けて2種・3種に合格し、日ごろの業務にとても役立っています。
それでは以下に沿ってメンタルヘルスケアマネジメント検定について説明していきます。
- メンタルヘルスマネジメント検定とは?
- 検定の内容について
- 1.Ⅰ種(マスターコース)
- 2.Ⅱ種(ラインケアコース)
- 3.Ⅲ種(セルフケアコース)
- 受検すべき理由
メンタルヘルスマネジメント検定とは?
まずは検定についての説明を確認しましょう。
「働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得していただくものです。」
引用元:メンタルヘルスマネジメント検定試験HP
職場のメンタルヘルスケアについて体系的・網羅的に学習できる検定です。合格することが一番ですが、結果的に落ちてしまったとしても試験に向けて勉強した内容は業務に活かすことができると確信しています。
検定の内容について
コースが3つあります。簡潔に関連する情報を以下に記載します。
※引用元:メンタルヘルスマネジメント検定試験HP(2022年度の情報)
1.Ⅰ種(マスターコース)
- 対象:人事労務管理スタッフ、経営幹部
- 目的:社内のメンタルヘルス対策の推進
- 受検可能回数:年に1回(11月)
- 料金(税込み):11,550円
- 合格率:17.6%(2022年11月の試験結果)
「自社の人事戦略・方針を踏まえたうえで、メンタルヘルスケア計画、産業保健スタッフや他の専門機関との連携、従業員への教育・研修等に関する企画・立案・実施ができる」がホームページ記載の到達目標です。
合格率が20%を切るくらい難易度の高いコースです。仕事をしながら勉強することを考えるとⅡ種・Ⅲ種を合格した後に挑戦するほうが良いでしょう。最終的に取得したいコースですね。
2.Ⅱ種(ラインケアコース)
- 対象:管理監督者(管理職)
- 目的:部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進
- 受験可能回数:年2回(11月、3月)
- 料金(税込み):7,480円
- 合格率:58.2%(2022年11月の試験結果)
ホームページでは「部下が不調に陥らないよう普段から配慮するとともに、部下に不調が見受けられた場合には安全配慮義務に則った対応を行うことができる」ことが到達目標とされています。
私もⅡ種を受験し合格しましたが、セルフケアのこと、ラインケアはもちろん、社内のメンタルヘルス対策の推進が目的のⅠ種に相当する内容も含まれていました。体験談ですが職場のメンタルヘルスケアの全体像をつかむには難易度から見ても、最初に学習しておいてもよいコースでしょう。
3.Ⅲ種(セルフケアコース)
- 対象:一般社員
- 目的:組織における従業員自らのメンタルヘルス対策の推進
- 受験可能回数:年2回(11月、3月)
- 料金(税込み):5,280円
- 合格率:69.4%(2022年11月の試験結果)
「自らのストレスの状況・状態を把握することにより、不調に早期に気づき、自らケアを行い、必要であれば助けを求めることができる」ことが到達目標とホームページで記載されています。
Ⅲ種もⅡ種と同時期に受検し合格しましたが、学習して感じたことはⅡ種よりもストレスというテーマを細かく取り扱っており、Ⅱ種を勉強しているからⅢ種も簡単に合格できるとは限らないという印象を受けました。ただ試験における設問の出し方はⅡ種よりも解きやすかったため、入り口としてⅢ種をはじめに受検してもよいでしょう。
受検すべき理由
担当者であればメンタルヘルスマネジメント検定を受けることをあらためて強くおすすめします。
受検・合格した経験からあげられる理由としては、以下の3つです。
- 職場におけるメンタルヘルスケアについて体系的・網羅的に学習できる
- 困ったときに立ち返ることができる軸となる
- 合格に向けた主体的な学習と現場での実践でメンタルヘルスケアの知識がしっかりと身に付く
特に「主体的な学習で知識がしっかり身に付くこと」が一番強い理由です。
厚生労働省のホームページやメンタルヘルスケアについてのブログなどから情報を得ることも大切ですが、その場限りで断片的な知識しか身に付かず、すぐに忘れてしまいます。
検定の合格に向けてテキストや過去問などを毎日読み返し勉強し、日々の業務で少しずつでもアウトプットしていくほうがメンタルヘルスケアについての理解を定着させることができます。受験したことがない方はぜひ一度トライしてみましょう。
6. まとめ
事業の規模を問わず、職場のメンタルヘルスケアの重要性は近年非常に高まっています。社内のメンタルヘルスケアの体制をこれから作っていく方々の参考となればうれしいです。
まずは小さいことでもできるところから職場でメンタルヘルスケアを進めていきましょう。